現地の記録
カンポ・デ・クリプターナ 現地の記録
人々への謝辞、小旅行の記録、そして芸術についての覚書
以下は、徳永卓磨が長年のカンポ・デ・クリプターナ滞在の中で書き残した覚書を、校正・整理して掲載するものである。現地でお世話になった方々への謝辞、旅の記録、そして芸術についての考察をまとめた。
人物紹介については、ご本人の同意なく公開すべきでない私的な事柄(近況の詳細など)を割愛し、名前・関係性・感謝の言葉に絞って掲載している。
1. カンポでお世話になった方々
宿の女将 カルメン 故人
フランシスコ・バルブエナ 故人
現地の画家。出会いから最期まで、公私にわたり支えてくれた。
ヴィセンテ
宿の長男。14歳で初めて出会って以来、今も変わらず力になってくれている。
アンドレ
町立「文化の家」元館長。カンポでの展覧会を全面的に支えてくれた中心人物。
ミゲル(元編集長)
スペイン三大紙の一つ『エル・ムンド(El Mundo)』紙の元編集長。かつて新聞記事で私たちを紹介してくれた。
ミゲル(フランス語教師)
故フランシスコ・バルブエナの息子。父の跡を継ぐように、今も絵を描き続けている。教養が高く、頼りになる存在。
カルメン(親戚一同)
宿の女将カルメンの親戚にあたる女性。幸子の絵にもたびたび描かれ、現地での暮らしの中で最も親しくしてくれた一人。
高橋氏
カンポの風車の丘を日本人団体が訪れる際、ガイド役を買って出てくれる心強い協力者。
町長・行政関係者
皇太子ゆかりの展覧会を、これまでにこの町で2度開催してきた(2回目は日本・スペイン修好150周年記念)。将来の構想として、ドン・キホーテゆかりのこの地にふさわしい「ラ・マンチャ美術館」も思い描いている。
2. お勧め:カンポでの小旅行(ドライブコース)
おすすめ午後ドライブコース
- カンポ出発 → ビルヘンの丘(小さな教会エルミータがある)
- 東へ13km進み、エル・トボソ(El Toboso)へ。(『ドン・キホーテ』の想い人・ドルシネア姫の生地。人口約3,600人)
- 街道を西へ折り返しアルカサル方面へ。途中に広がる雄大な畑の風景を楽しむ(時々車を止めて見学)。
- アルカサルから4つの風車のある丘へ(カンポの町からもよく見える場所)。丘の上から北東にかけての眺望が素晴らしい。
- 見学後、カンポ・デ・クリプターナへ帰還(約8km)。
3. バー・食物の手引き
おすすめのバー
- バー「アティラ」(Attila)
- 宿の女将カルメンとよく通った、思い出深い店。店名はスペインの幻の名馬から。おつまみの「オレハ(豚の耳)」が大変おいしい。
- バー「アンドレ」
- 長年お世話になっている、地元で親しまれる店。バー「ロス・モリーノス」のすぐ近くにある。
食物・注文のアドバイス
- チョーリッソ(Chorizo)
- スーパーで小ぶりのものを買い、パンと一緒に食べると非常に良い。
- チューレッタ(Chuleta)
- 小さい骨付き肉を焼いたもの。美味。
- ボカディージョ(Bocadillo)
- パンに具材を挟んだサンドイッチ。手頃で温かく美味しい。特にイカのカラマリ(から揚げ)を挟んだものが一番安くてお勧め。
- 【注意】生ハムの注文について
- 生ハムを一般的な料理の感覚で注文しないこと。以前注文した際、大変な大皿一杯が出された経験があり、盛り付けや量の調節が難しい。
交通・防犯・安全管理
- 鍵の保管を徹底・完璧にすること。
- 交通規則が変更されている場合があるため注意(飲酒運転は厳禁)。
- 車に限らず、外国人は防犯上ターゲットにされやすいため日常的に注意を払うこと。
4. 芸術・展覧会に関する考察・画論メモ
バルブエナ作『死せる自画像』について
もし小生の絵が美術館に並ぶとしたら、スペイン語版『ドン・キホーテ』の舞台において(正確かつリアルに展示されるべき作品として)、故バルブエナの『死せる自画像』が挙げられる。彼が生前に描いた自らの死後の姿であり、朽ち木のような凄まじい表現である。美術史上初めての理念と思われるが、現在は行方不明とも言われている。
「白」の扱いと日欧の文化的感性の違い
小生の絵と現地の描き手・観客との間にある「壁」の一つが「白」の扱いである。何度説明しても理解してもらいにくいが、彼らにとって白は「印刷感・印字感」が強く感じられるようである。
- 西洋
- 羊皮紙
- 日本
- 上質な和紙
- 韓国
- 厚手の白革
「白は太陽に向かい(木版・絵画)、黒は地下へ向かう(エッチング他)」という造形理念の相違が存在する。